去る11月17日(土)富士宮市立中央図書館で行われた文化講演会(駿河半紙技術会主催
に参加しました。講師は郷土民俗学を専門に研究をなさっている八木洋行氏。講演会が
始まる前、会に参加していらした方が、会場に到着したばかりの講師に「お声を聞いて
八木さんだとすぐにわかりました!」と、積極的に話しかけておられるのを聞いて、私も
(そうそう)と、心の中でうなずいてしまいました。講師の八木氏はSBSラジオで
「すっとんしずおか昔話」を長い間やっていらっしゃる方。地元に伝わる昔話の解説などを
独特の語りでお話し下さり、思わず聞き入ってしまいます。このごろ私はFM局ばかり
聞いており、「すっとんしずおか・・・」もご無沙汰してしまっているのですが、以前に
聞いたお声をすぐに思い出すことができました。
さて、講演会の題は「駿河和紙の民俗学」。八木氏がお調べになった史実と照らし合わせ
た和紙のお話がとても面白かったです。駿河和紙については分からないことも多い・・と
いう前置きがありながらも、浅間神社が発行していた「浅間金」という紙幣があったことや、
ある貴族が今川義元の城に滞在した折、お土産に和紙をたくさん持ち帰ったこと、関東の
武士を中心に長い間使用されてきた「三島暦」は和紙に印刷されたものであったし、茶葉を
加工する過程で使われたり、花火の材料としても盛んにつかわれたりしていた。という事
を、当時の様子が目の前に浮かんでくるような語り口でお話ししてくださいました。また、
お話を伺いながら、私たちが住むこの地域にも脈々と和紙作りが続いていたことに思いを
駆せることが出来、感慨深かったです。
予定の時間はあっという間に過ぎ、もっと聞きたい!と思うところで、お話も終了。
機会がありましたら、ぜひ、続きのお話を伺いたいと思います。
(文責 駿河半紙技術研究会員 四条 里美)