今回の技術研修は待ちに待った紙貼りを経験しました。
内藤さんに以前から「他人(しかも素人)の漉いた紙を貼るのは大変なんです」と
言われていたので早く体験するのを 楽しみにしていました。
板を拭いたところに内藤さんが一枚一枚丁寧に剥がしてくれた紙を刷毛で撫で付けて貼り
ます。ある程度の圧を紙に掛けないと板に付いた感じがしないし強すぎると
「ほうきぼくれ」という引っ掛かりで紙を痛めてしまいます。
私は製本が仕事なので、布に紙を裏打ちすることがあります。
空気が入らない様に、雛にならない様に貼っていくのは、紙貼りの刷毛使いと同じに感じ
ました。
ところで最近私が楽しんでいることが、この駿河半紙を強制紙にすることです。みつまた
紙はこうぞに比べ引っ張り強度に欠けますが、触れた時の感触はとても滑らかですよね。
そこで駿河半紙にこんにゃく糊を塗り乾いたら揉みます。
次に消石灰からとったアルカリ水で煮て乾かします。するとかなり強度が出るので、
その紙をまた揉んでしごくとそれはそれはソフトな紙が出来上がります。私はこの紙を
使いを、明治の初期に作られた縮緬本に負けない和本を作ろうとおもっています。
そんな事を考えていると、埼玉から富士宮まで2時間半はとても楽しい。
しかし今回お盆休みという事でちょつと大変でした。
しかしここまで体験すると紙すき以前の紙料つくりも体験したいと思いました。
歳よりお若い内藤先生には今後も勢力的な活動をお願いいたします。
駿河半紙技術研究会会員 埼玉県在住 水上 悦男