駿河半紙の歴史と手漉き和紙技術の習得を目指して
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駿河半紙技術研究会 会員 四条 里美

去る3月に、内藤氏が「地域伝統文化功労者」に選ばれて表彰されたので、駿河半紙技術研究会の5月の総会で、祝賀会を計画したい、計画しなくては…というお話になりました。私も、昨年度から研究会では広報を担当するようになりましたので、何かお手伝いしなくては…と思ってはいたのですが、事務局から祝賀会計画の素案を示されたときに、「司会をやってほしい。」と言われたのには驚きました。仕事柄、人前でお話をする機会は何回もありましたが、祝賀会というおめでたいお席には出席したことはありませんから、そのようなお席での司会の経験も皆無。そして何より、研究会のメンバーをはじめ、祝賀会にいらっしゃる方々のほとんどを存じ上げなかったからです。加えて、頼もうと思っていた方(プロではないのですが、司会のお仕事が好きで、頼まれてはよくやっていらっしゃるそうです。)のご都合が合わなかった、という裏事情もありまして、本当に、寝耳に水…といった状態でしたが、せっかくのご指名でしたので、引き受けることにしました。
そのあとは事務局の方のご尽力で、祝賀会場や内容、出席なさる方、などなど短期間で次々と決まっていきましたが、出席者の肩書を見たときに不安が募りました。名士がずらりと並んでいたのです。
司会の原稿は、祝賀会の開催を中心に進めてくださった渡井さんが作ってくださるということだったので、少しは気が楽だったのですが、それでも一回目の原稿をいただいて目を通した時には、思わず図書館へ走りました。そこで、司会についてのノウハウが書かれた本を借りて「祝賀会」の部分を熟読しました。「格調高く…」というキーワードに、思わず苦笑です。また、敬語の使い方を間違えないように、例文にも目を通したり辞書で調べなおしたり、紹介するお客様の肩書やお名前も間違えないように、自分が読みやすくするために原稿を打ち直しました。といっても、根がそんなに几帳面ではないので、結局、原稿の打ち直しができたのが1週間前、数回声に出して練習しただけで、当日を迎えてしまいました。予想はしていましたが、当日の変更がいくつかあり、間違えないように、大きな文字で訂正し、できるだけゆっくりしゃべりました。(早口だとよく言われるので。)
祝賀会前半は記念講演で、佐野美術館長の渡辺先生のご講話でした。そこまで振ってしまえば、しばらく司会の仕事は休憩です。始まって間もないのに、休憩をとってしまい、渡辺先生の和紙を使った古写経についてのお話を、あまり聞いていませんでした。(本当にもったいないことです。)でも、巻物になっている古写経の実物を間近で見せていただきながらの解説が始まったので、後ろの方からのぞかせてもらいましたら、『三蔵法師』や『足利尊氏』の文字が目に入り、びっくり。渡辺先生も、なぜ佐野美術館にあるのか分からないけれど、おそらく明治時代の廃仏毀釈の混乱で、このような貴重な品物が全国の寺院から流出してそれが巡ってきたのだろうとおっしゃっていました。写経を見ればその時代背景も推察できるらしく、文化財としてはかなり貴重な資料らしいです。書体や装丁の違いで時代が分かるようですし、また紙は大変貴重で庶民ではなかなか手に入らなかったため、膨大な量の写経をすると決めたお坊さんは寄付を募りながら一生掛けて写経したものもあるようです。古いものでは、線を引く人、下書きをする人、清書をする人、装丁をする人などかなり細かい分業で作られたものも残っているようです。さらに、紙の研究の第一人者の増田先生もお越しいただいていましたので、渡辺先生からの問いに、増田先生が「多分…」ということで、紙の材料の違いについても解説してくださいましたことは、とても興味深かったです。返す返す、きちんと聞いておけばよかったと、後悔しきりです。
続く祝宴の方も滞りなく進みました。名士ばかりなので、会場の雰囲気もまさに「格調高く」て、壇上でお話しされる方が、とてもお上手で感心してしまいました。あっという間の2時間でしたが、心からお祝いできた会だったと思います。
お開きになってから、内藤さんのご親族を始め、何人かの方々に声をかけていただき、知らない方ばかりだったはずなのに、終わった時には、すっかり関係者の一人になった気分でした。なかなか体験できないことをさせていただき、これも何かのご縁と思うと、とてもありがたかったです。

11月16日(土)
「地域伝統文化功労者」受賞祝賀会を開催しました。

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会期 平成25年11月16日(土) 12:30~15:00

会場 418-0076 富士宮市錦町7-8 「パテオン」 0544-28-2533

JR身延線 富士宮駅下車 徒歩9分   駐車場完備

会期 平成25年11月16日(土) 11:30~12:30

会場 418-0076 静岡県富士宮市錦町7-8 「パテオン」 0544-28-2533

JR身延線 富士宮駅 下車 徒歩9分  駐車場 完備

講師 静岡県三島市 公益財団法人 佐野美術館 館長 渡辺 妙子 氏

駿河半紙技術研究会 会員

演題 お楽しみに。

入場料 無料

初めての紙すき体験

10月 31st, 2013 | Posted by admin in 報告 - (0 Comments)

自然素材を生かしたインテリヤに興味があり、仕事でも内装材として、壁・天井
建具等に和紙を貼ることがある為、インターネットで和紙のことを調べていたところ、
内藤先生のホームページを見つけました。それが、駿河半紙技術研修会に入会するきっか
けとなりました。今回9月28日(土)の実技研修が初参加となり、道具の名前や材料の
説明等を受けながら、紙を漉いていく手順を一から教わりました。内藤先生や四条先輩
が、簡単そうにやっているので、わけなく紙を漉けると思いきや、何回やっても紙が崩れ
てしまい、自分のセンスのなさにがっかりしました。それでも、途中アドバイスを
いただき、作業を進めていきますと、研修の最後には、やっと簀桁をすくい上げるコツが
わかり始め、紙をいくらか平滑に漉くことができ、ホッとしました。
この日は、雲ひとつない秋空で富士山もはっきり見え、気分良く家路につきました。
次回の実技研修が楽しみです。

駿河半紙技術研究会 会員 小林 智

紙漉き体験記

7月 31st, 2013 | Posted by admin in 報告 - (0 Comments)

今回(6月1日)の実技研修では、私一人だったこともあり、内藤さんから、大きな枠で漉いてみてはどうかという御提案がありました。枠を見たときには、かなりの大きさに、果たして紙料を汲めるのか、不安になりましたが、これもまた勉強と思い、やってみることにしました。
枠は大きいために竹の竿に吊ってありますから、汲みこむのにそんなに重たくはなかったのですが、汲むコツがなかなかつかめず、結局最後まで、平滑に漉くことができませんでした。いつもの半紙2枚取りの大きさの枠だと、平らに漉けるようになってきていたので、枠の大きさが変わることによって、何かを変えなくてはいけなかったのにそれが分からなかったです。はじめと途中何度か、内藤さんの汲みかたを見せていただいたのですが、それでも、どこが違うのか分からなかったというのが、正直なところです。もしかしたら、竿のしなりを利用しなければいけなかったのに、それができなかったのかもしれません。
いずれにしても、初めに、内藤さんが「(大きい枠での研修を)勧めるのに迷った。」とおっしゃっただけあって、難しかったです。でもまた、機会がありましたらぜひ挑戦して、平滑な紙を漉いてみたいです。
ところで今回の研修では、紙漉きの実技の難しさとは裏腹に、紙漉きの道具の美しさを、改めて感じました。竿に吊られた枠は、全く無駄のない形で本当に美しいです。これらの道具を考え出して使い続けてきた先人に敬意を払わずにはいられません。
(文責 四條里美)

雁皮を使った紙すき

5月 31st, 2013 | Posted by admin in 報告 - (0 Comments)

駿河半紙技術研究会の実技研修では、通常、紙料は三椏(みつまた)で行われてきましたが、3月16日に行われた研修会では雁皮(がんぴ)が使用されました。
手漉きでは雁皮の方が難しいと聞かされていたのですが、今回の雁皮を手漉きした感じは、三椏のそれとあまり違いは感じられませんでした。多少、雁皮の方が、水抜けが遅いかなと思われる程度でした。
数日後、天日干しされた紙が届きました。
触った感触は、三椏の紙より少し柔らかいというか、しなやかな気がしました。
表面は三椏より滑らかな感じです。でも、強度的には雁皮の方が上のようです。
実際に筆を落とした時のファーストインプレッションは『軽い!』でした。
滲みも少なく、文字の輪郭もシャープなので、かな書などの連綿となる文字を書くのに向いていると思いました。反面、文字が平面的(のっぺり)に見えるので、墨の濃淡や字の大きさに変化をつけて、立体的に見せる必要がありそうです。『キレ』のあるかな書が書ければ、とてもいい紙だと思いました。

駿河半紙技術研究会 会員 尾崎 政志

雁皮を使った紙すき

5月 31st, 2013 | Posted by admin in 報告 - (0 Comments)

今回の実技研修は、雁皮を使った原料での紙漉きでした。漉き舟に入っている原料を見ても、いつもの原料(三椏と楮)との違いはよくわからなかったのですが、漉き始めると何となくいつもと勝手が違い、上手く漉けなくて、原料の違いを実感しました。
事前に、いつもより厚めに漉くとよいことや、原料が絡みやすくするために縦だけでなく横にも少し揺らした方がよいことなどの助言をいただいてやってみたのですが、枠の中の紙料がなかなか厚くならないのです。雑すぎるのかなと思って、いつもより丁寧に、回数も多く汲んだつもりですが、厚くならない…。更に紙床づけが難しく、上手く簀から離れないのです。初めて漉いた時のように、紙が崩れてしまうこともありました。雁皮を使ったのは初めてですから、1から出直し…ということだと思います。
でも、できた紙は美しく、表面はさらさら(私の勝手なイメージですが、和紙の表面は少しざらざらしているものだと思っていましたので、そのさらさら感にちょっと驚きました。)で、触るとパリパリっとした音がします。この薄さと手触りのよさが、紙の王様と言われる所以なのでしょう。まだこの紙を使ってはいないので、書き味までは分からないのですが、見ているだけ、触れているだけで満足してしまいます。
一言で和紙と言っても、原料によって細かい製作工程はもちろん、作るときの心配りからできた製品までこんなにも違いがあるということを実感した今回の研修でした。そして和紙の魅力を改めて感じています。

駿河半紙技術研究会 会員 四条 里美

平成25年度 第1回目 実技研修会の ご案内

5月 17th, 2013 | Posted by admin in お知らせ - (平成25年度 第1回目 実技研修会の ご案内 はコメントを受け付けていません。)
  • 会期 平成25年6月1日(土)  9:00~15:00
  • 会場 柚野手漉き和紙工房
  • 会費 6000円(紙貼代含む)
  • 内容 基本動作の確認等。
  • 原料 みつまた。
  • 持ち物 髪の毛が落ちない工夫 昼飯 タオル 飲み物 等。
  • 申し込み 内藤会長(電話 0544-66-0738)まで。

平成25年度 総会および懇親会のご案内

5月 17th, 2013 | Posted by admin in お知らせ - (平成25年度 総会および懇親会のご案内 はコメントを受け付けていません。)

駿河半紙技術研究会 主催 平成25年度 総会および懇親会のご案内

  • 会期 5月18日(土) 11:00~13:00
  • 会場 志ほ川 バイパス店 0544-24-0100
    富士宮市 城北町667
  • 会費 1500円~2000円
  • 内容 平成24年度 事業報告 収支決算 ご審議
    平成25年度 事業計画 収支予算 ご審議
    役員人事 ご審議  等
  • 懇親会 美味しい 和そばを お楽しみに。
  • 申し込み 事務局 小川 様 まで。富士宮市役所 産業振興部 観光課 0544-22-1155