今回(6月1日)の実技研修では、私一人だったこともあり、内藤さんから、大きな枠で漉いてみてはどうかという御提案がありました。枠を見たときには、かなりの大きさに、果たして紙料を汲めるのか、不安になりましたが、これもまた勉強と思い、やってみることにしました。
枠は大きいために竹の竿に吊ってありますから、汲みこむのにそんなに重たくはなかったのですが、汲むコツがなかなかつかめず、結局最後まで、平滑に漉くことができませんでした。いつもの半紙2枚取りの大きさの枠だと、平らに漉けるようになってきていたので、枠の大きさが変わることによって、何かを変えなくてはいけなかったのにそれが分からなかったです。はじめと途中何度か、内藤さんの汲みかたを見せていただいたのですが、それでも、どこが違うのか分からなかったというのが、正直なところです。もしかしたら、竿のしなりを利用しなければいけなかったのに、それができなかったのかもしれません。
いずれにしても、初めに、内藤さんが「(大きい枠での研修を)勧めるのに迷った。」とおっしゃっただけあって、難しかったです。でもまた、機会がありましたらぜひ挑戦して、平滑な紙を漉いてみたいです。
ところで今回の研修では、紙漉きの実技の難しさとは裏腹に、紙漉きの道具の美しさを、改めて感じました。竿に吊られた枠は、全く無駄のない形で本当に美しいです。これらの道具を考え出して使い続けてきた先人に敬意を払わずにはいられません。
(文責 四條里美)
紙漉き体験記
7月 31st, 2013 | Posted by in 報告You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Responses are currently closed, but you can trackback.