和紙の選び方




当工房には様々な種類の和紙がございます。
和紙は使用される方の用途によって、選び方も多々ございます。
皆様の参考になればと、掲載致しましたのでご利用下さい。

初めてお越しのお客様、 どのような和紙を買えばいいのか分からないお客様のために、 お試しセットを用意致しました。


皆様のご要望により「叩解紙料」をご提供出来る様になりました。※「叩解紙料」とは、すぐに紙漉き可能な状態のものです。




1.画材用には?

一般的には楮(こうぞ)系の紙が好まれるようです。程良くにじんで紙の色も白っぽい駿河柚野紙7号(2双紙もあり)は、水墨、水彩をはじめ画材用として幅広く使われております。

また、自家栽培楮(こうぞ)を使った駿河柚野紙5号は薄いベージュの紙色で、紙の厚みは少し薄めです。 にじみ具合も落ち着いていて、7号より少し個性的な紙です。 その他に、三椏の紙を好んで使われる方もいらっしゃいますし、不二の紙の未晒(無地)を使われる方もいらっしゃいます。
不二の紙は厚手の和紙で、紙の層が幾重にも重なっていますので、画材としてもおもしろい効果が得られるようです。



2.版画用には? 楮(こうぞ)系の紙の駿河柚野紙7号、三椏の駿河柚野紙1号、雁皮(がんぴ)の鳥の子1号など、お客様の好みにより使われております。木版画などには、駿河柚野紙7号や駿河柚野紙1号、エッチングのような細かいものには、鳥の子1号や駿河柚野紙1号が良いかもしれません。

その作品の手法やイメージにより、紙を変えると同じ作品でも、全く雰囲気の違うものができると思われます。



3.書道用には?

三椏の駿河柚野紙1号や、三椏に白土の入った駿河柚野箋1号などは、1尺8寸×4尺8寸と大きな紙があります。 その他に、柚野染紙1号〜5号もよく使われています。 染紙5号はグレーの色が濃いように思われがちですが、以外と墨の色との相性が良く洒落た作品に仕上がります。 かな書などではやはり、駿河柚野紙1号や鳥の子1号、64号、楮(こうぞ)では駿河柚野紙5号も良いようです。



4.印刷用には?

日本の紙幣の原料として使われている、三椏の駿河柚野紙1号はにじみも少なく、インクの乗りが良いでしょう。 好みによっては多少かすれの出る、楮(こうぞ)の駿河柚野紙5号もおもしろいでしょう。



5.文化財修復用には?

自家栽培楮(こうぞ)をソーダ灰で黒皮から煮熟、精製している駿河柚野紙5号をお勧めします。 他に、駿河柚野紙1号、鳥の子1号も修復用としてお使い頂いております。



6.インテリア用には?

壁、天井、床の間、襖などに、不二の紙のシリーズが使われております。 3×6判(90cm×180cm)のサイズで、黒皮、繊維入りのもの葛入り、わさび葉入りなどお部屋の雰囲気やお好みでお選び下さい。また、柚野染紙の2×3判(60cm×90cm)も貼り合わせてお使い頂けます。

他に、施工方法によっては駿河柚野紙1号や7号、5号、柚野染紙1、2、5号なども壁、襖、お茶室の腰貼り等、ご使用頂けます。それ以外に不二の紙をタピストリーにお仕立て致しますのでお部屋のアクセントとしてお楽しみ下さい。



7.手工芸用には?

ちぎり絵、貼り絵などには柚野染紙の1〜5号が使われるようです。紙布には、三椏の柚野紙1号や楮の柚野紙5号が良いでしょう。
強靱さでは5号ですが、1号で使われる紙糸は落ち着いた光沢があり、品質の良い紙布に仕上がります。