駿河半紙の歴史と手漉き和紙技術の習得を目指して
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設立趣意書

「駿河半紙技術研究会」の設立について
           柚野手すき和紙工房 内藤恒雄
           富士宮市役所「富士宮市の和紙と芸術を考える」有志
              (秘書課 小川貴士・福祉企画課 渡井一信)
                               2007年 2月28日
1.  はじめに
 中国で発明された紙の作り方が、日本に伝えられたのは、聖徳太子が摂政の610年と
言われています。聖徳太子は仏教を広めるとともに、紙の製造を奨励し、製紙術を改良して、日本独自の流し漉きによる和紙として発達していきました。
 その間、紙の原料として麻、楮、雁皮、三椏などが使われ、気候風土、あるいは原料に合わせ、日本各地で様々な和紙が生産されるようになりました。
 富士山の麓に広がる、ここ岳南地域では、江戸時代、原村(現在の富士宮市白糸・原)の
渡辺兵左衛門による三椏の発見を期に、紙すきが盛んとなり駿河半紙として各地に流通した歴史があります。
 しかし、紙が安価で大量に生産されるようになると、和紙の需要は減り、当地域における紙漉きも衰退していきました。今では、その頃の様子を語れる人もほとんどいない状況となっています。
 こうした状況のなか、私たちはこの永い伝統と確かな技術を検証し、次世代に継承できれば、地域文化の創造に大きな効果をもたらすものと考えます。このための組織として
「駿河半紙技術研究会」の設立を提案します。

2. 研究会の目的
 駿河半紙の生産地としての歴史を正しく理解し、手漉き和紙が作られる各工程を正確に伝える技術の研鑚をとおして、後継者の育成と地域文化の創造に資することを目的とする。

3. 活動内容
(1) 駿河半紙に関する研究及び手漉き技術の保存に関すること
(2) 手漉き技術伝承者の技能の熟達並びに後継者の育成及び奨励に関すること
(3) 講演会、講座等の開催
(4) その他、この研究会の目的を達成するために必要な事業

4. 組織
 会員は、研究会の目的に賛同する個人とし、職業、居住地を問わないものとする。
 当面、事務局の扱いは富士宮市役所「富士宮市の和紙と芸術を考える」有志が行うものとする。

5. 会費
 会費は年額金1,000円とする。
以上