駿河半紙の歴史と手漉き和紙技術の習得を目指して
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雁皮を使った紙すき

5月 31st, 2013 | Posted by admin in 報告

今回の実技研修は、雁皮を使った原料での紙漉きでした。漉き舟に入っている原料を見ても、いつもの原料(三椏と楮)との違いはよくわからなかったのですが、漉き始めると何となくいつもと勝手が違い、上手く漉けなくて、原料の違いを実感しました。
事前に、いつもより厚めに漉くとよいことや、原料が絡みやすくするために縦だけでなく横にも少し揺らした方がよいことなどの助言をいただいてやってみたのですが、枠の中の紙料がなかなか厚くならないのです。雑すぎるのかなと思って、いつもより丁寧に、回数も多く汲んだつもりですが、厚くならない…。更に紙床づけが難しく、上手く簀から離れないのです。初めて漉いた時のように、紙が崩れてしまうこともありました。雁皮を使ったのは初めてですから、1から出直し…ということだと思います。
でも、できた紙は美しく、表面はさらさら(私の勝手なイメージですが、和紙の表面は少しざらざらしているものだと思っていましたので、そのさらさら感にちょっと驚きました。)で、触るとパリパリっとした音がします。この薄さと手触りのよさが、紙の王様と言われる所以なのでしょう。まだこの紙を使ってはいないので、書き味までは分からないのですが、見ているだけ、触れているだけで満足してしまいます。
一言で和紙と言っても、原料によって細かい製作工程はもちろん、作るときの心配りからできた製品までこんなにも違いがあるということを実感した今回の研修でした。そして和紙の魅力を改めて感じています。

駿河半紙技術研究会 会員 四条 里美

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